2011/11/21

大拙寺(鈴木大拙館)一

禅の思想を、その執筆活動(英文で書かれた23冊を含め約100冊の著作がある他、英文仏教雑誌も創刊、現代も発刊され続けている)や国内外での幅広い講義活動(晩年にあたる80歳〜89歳!まではアメリカに在住。多くの大学で講演した他、欧米各国の大学でも講義を行なっている)を通して広く世界に紹介した鈴木大拙、彼の思想を「自由に」感じてもらうコトを目的として2011年の10月、生誕の地である本多町に「鈴木大拙館」が開館した。
※例えば展示してある書籍、手紙などにはこれといったキャプションは無く「そのモノと直に対面出来る様」に配慮がなされている。
(解説リーフレットも勿論用意されている)

これは「水鏡の庭」に浮かぶ様に佇む「思索空間」
禅寺の方丈(僧侶の住居)をイメージして設計されたシンプルかつ濃密なスペース。
畳張りのベンチに座って(あるいは座禅を組んで)水面を眺めているだけでも心に何かしらの作用がある様な・・・「既成概念に囚われずに自由に大拙を感じ取ってもらいたい」そういう館の狙い通りの見事な空間。
賛助会員になれば(年間二千円)いつでも無料で堪能するコトが出来る。
(※特典として招待券6枚、会員限定イベント、会報の送付なども。他には市の16もの文化施設の共通年間パスを購入する方法もある。こちらも二千円)
毎日夕暮れにやってきてしばらく佇む・・なんて使い方もとっても贅沢だろうな。
また一つ金澤に素晴らしい「場」が誕生した。
 2011年10月22日 14時26分撮影

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2011/11/17

旧市街ダイレクト・ゲート(ふらっとバス材木ルート)

旧市街を四つのルートで循環するふらっとバスは狭い路地まで入り込みユルユル、ユルユルとほんのちょっぴり走っては停って(バス停間隔は200メートルが目安)地面に近い低い床(床高28センチ)と旧市街のあちらこちらを地続きにする。
数年前から国産の汎用性ある車種に世代交代しつつあり「居間の広い窓から流れる街並みを眺めている様な感覚」はちょっと減ったけど(初代はオーストリアの車体メーカー製のとても開放的なコミュニティバスだったんだけど、故障も多く維持費がかさんだ結果廃止方向に)それでもドアが開く度「その場と地続きになるカンジ」は依然健在。
これは材木ルート(藩政期にその名が付いた材木町を通る)の武蔵ヶ辻バス停。
開け放たれたスライドドアの正面に浮かび上がるのは、近江町の顔として長年親しまれ、もうじき築80年になる建物の入り口。(実は近江町再開発にあたって曳家工事で20メートル移動している)

敷き詰められた御影石が雨で磨かれ舞台の様に、スポットに光るお店のメニューが指揮者を待つ譜面台の様にも見えて・・・「おや?ココは一体?何処かのステージに繋がってしまったのか?」なんて空想を束の間楽しんだ。

雨は街中に釉薬をかけて、夜は細部を曖昧にして・・・
現実と夢幻の間の美しい光景を旧市街のアチラコチラに出現させる。

2011年10月14日 17時29分撮影

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2011/10/17

赤母衣騎馬像月暈光輪図

尾山神社は、その他に類を見ない神門(建立された当時は相当な物議を醸したらしい)に注目が集まりがちだけど、右手奥に豊かに密かに広がる神苑(庭園)を始めとして、趣深い空間が意外と広々と展開している。(モチロン拝殿、本殿は言うまでもなく。また前田家から寄進された貴重な能面を多く所蔵しているコトでも有名)
秋には珍しいたっぷりと湿気を含んだ大気に満たされたこの夜は、高く昇った十六夜の月に大きくクッキリした傘がかかって、まるで懐かしい絵本の挿絵の様。金木犀の香り濃く漂う、優しく幻想的なお月見日和になった。

見上げる前田利家公の赤母衣騎馬像の背景に大きく浮かぶ光の輪はちょっと後光ぽくもあり
利家公が掲げる槍(「槍の又左」という異名をもって怖れられる槍の名手だった)の穂先が十字架の様にも見え・・・時代とジャンルを超えて「宗教的」なムードさえ漂う。傾奇者として有名な信長の親衛隊、赤母衣衆筆頭として大いに武功をあげた利家公にも、おそらく・・・「ニヤリ」として頂けそうな月の光景、騎馬像光輪図。
 2011年10月12日23時49分撮影

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2011/10/02

曲弦トラス単鋼橋 犀川大橋

犀川大橋は、細部にも独特の「美」が漂っていると思う。
大正時代としては先端を行く(日本橋梁技術の先駆者、関場茂樹氏による設計)モダンな橋だったに違いなく、繁華街に直結した場所に架かる橋を多くの人が「こんなふう」に見上げ「ちょっぴり誇らしげ」に感じながら通ったんじゃないかな。
鉄骨の入り方、リベットの盛り上がりなどに単なる機能を超えた時代の香りを感じてしまう・・のもあながち間違っていない想像だろう。
見事に馴染んでいるこの照明は近年になって、両岸にある「犀星の道」をイメージして新たに取り付けられたモノ。円柱状にちょっぴり盛り上がった台座、装飾が施されたステーなど「まるで当初からあった」かの様。ココらへんの塩梅も見事。
この橋を歩いて渡る時にはついつい上流、遥か医王山を望む景色に目が行きがちだけど、頭上に展開している構造美もぜひ感じてもらいたい。
有形文化財としての登録形式は「曲弦トラス単鋼橋」というのだそう。
なんだか・・・その語感にもしっくりくる眺めだと思いませんか。
 2011年09月23日 17時46分撮影

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2011/09/30

夢幻街灯


常々金澤には「あまりにも日常に溶け込んでしまっていて、空気の様に当たり前になってしまっていて」
気が付かない(でも多分記憶には刻まれている)細部の美、一瞬の美景が沢山あると思っている。
毎日の夕暮れにこの街灯が作る風景もその一つ。
※例えば、犀川大橋の袂のあちこちにこんな綺麗な街灯があるコトを意識している人は・・・
意外と多くはないハズ。毎日何万人もの人が利用する橋なんだけど。

大正時代に竣工したこの橋のイメージに合わせて「ガス燈」をイメージした灯りが点灯して間もない頃の、
濃いオレンジ色の弱い光と、淡いピンクと水色に染まる雲の背景。
夕方になると「突如出現」したかの様な印象さえある、急に存在感を発揮するこの街灯は、
こんな風に金澤の美しい空を背景に多彩な光景を見せてきた。
「冬の金澤画廊」でもご紹介したけれど・・今回はその秋編。
灯りはじめた街灯が自らの存在を主張しつつ、
周りを一気に幻想的なムードへ誘っている・・・そんなふう。夢幻街灯。
 2011年09月23日 17時41分撮影

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2011/09/28

犀川五層大橋 

淡い色の雲が浮かぶ透き通った空と犀川大橋が見事な調和を見せている秋の夕方。
現在の橋が架けられたのは1924年だから90年近く(前田利家がこの場所に橋を架けてからは400年以上が経つ)
街の歴史を見守ってきた金澤のシンボル的な存在でもある。(この構造の道路橋としては日本最古、とのコト)
意外と気付いていない人も多いと思うけど綺麗な五層のグラデーション(加賀友禅のぼかし配色法を用いている)に塗り分けられている。
そうなったのは1993年の塗り替えの時からで(2008年に再塗装)数年に渡って多くの有識者の慎重な検討が重ねられたコトが功を奏し、
ホント自然に周囲に溶け込んで様々な美景を出現させている。(2000年には国の登録有形文化財に指定された)
今日は空と絶妙なバランスを見せているけど、曇天下の水の色にも近く、そんな日はまるで川面が反映して橋に染みこんでいる様にも見える。
それにしても見事な配色。
古いものの良さを残しつつ新しい何かを加えていく「金澤人の気質」がここにもしっかり発揮されている。
2011年09月23日17時38分撮影

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2011/09/26

逢魔時情景2 21世紀美術館


艶やかな夕暮れのショーも終わりに近づく頃。
スクリーンに浮かぶ、薄暮に沈みゆく街並みが途切れた隣にロッカーにしゃがむ女の子、これもまたほんのり幻想的で優しい夕暮れの風景。
先程から10分ちょっと過ぎた頃、建物を反時計に四分の一周した辺り。
この場所からは「同じ方面の空を映す」ガラス壁面と実際の空の途切れない調和が美しい。
まぁるい建物の外周に沿って歩きながら眺める多彩な光景は、時々現実から少しだけ離れた不思議な世界。
つくづく素晴らしい美術館、そこに反映する金澤の空の多彩な変化の素晴らしさ。
幸せなコラボレーションが年中無休で展開中。
 2010年10月16日 17時45分撮影

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逢魔時情景 21世紀美術館

秋も中頃の「かなり透明度の上がった」見事な夕暮れを大きな大きなスクリーンに映しだすお馴染み21世紀‘現在’美術館。
こういう時はいつもそうだけど「急に幕が上がったように燃え上がる美しい夕焼け」に思わず足を止めケータイで撮影する人もチラホラ。
直接眺めるのもいいけれど、こうやって東の淡い青空をバックに、ガラスに映り込む夕焼けを「それを眺めている人達、美術館の内部空間」と一緒に眺めるのがこの美術館らしい夕暮れ観賞。

表面に浮かぶ街のシルエットが内部空間の奥行きとも曖昧に一体化して・・・架空の街が蜃気楼の如く現れた様にも見える。

黄昏時、逢魔が時は「何やら妖怪、幽霊など怪しいものに出会いそうな時間」だけど
金澤では「何やら不思議な空間、次元と出会いそうな時間」でもある。
昼と夜の境目には 「現在と夢幻が入り交じる」この街らしい魅力的な異空間がしばしば出現する。
2010年10月16日 17時33分撮影

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2011/09/09

名月 雲の大海原 浅野川大橋 


四季折々時々刻々・・・浅野川大橋からの眺めは多彩な変化を見せる。
卯辰山の稜線から顔を出した月がちょっとだけ高度を増して雲の大海原に浮かんでいる秋の夜。
ライトアップに浮かぶ艶っぽい浅野川に加えてこんな日は、大きく広がった夜空も鑑賞対象。
黒い森を挟んで・・・淡く広がる銀色の空と川面の金色の配色が美しい。

金澤では東側に山々が連なっていて「太陽が地平線(低いところ)から昇ってくる」のを眺めるコトは出来ない。
(海にゆっくり沈んでいく太陽や月はあちらこちらから眺められる)
兼六園では昔から早朝に「日の出を見る」人達の集まりがあったけど、
実際は「日の出のしばらく後に、卯辰山方面の稜線から顔を出す瞬間を眺める」いわゆる
「夜明けのショー」が半ば終わった空に昇る太陽を眺めるコトには・・・なってしまう。
だけど太陽より遥かに弱い光の月なら、空の色までは変化を及ぼさないので「稜線から昇ってくる瞬間」も「月の出」として充分に堪能出来る。
そして一旦空に浮かんでしまった後は・・・様々な風景に嵌めこまれて多彩な美しい「月景色」が出現する。
2010年9月23日午後6時53分撮影

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2011/09/07

月見大路 ひがし茶屋街二番丁 秋


ひがし茶屋街はほぼ東西を向いているので、通りのほぼ真正面に昇りかけの「月の画」を眺めるコトが出来る。
お月見に際してなんと見事な舞台&鑑賞装置だろう。
この日兼六園では中秋の名月鑑賞夜間無料開園を実施しており、多くの来園者で賑わっている頃。
ライトアップされた華やかな雰囲気の中でのお月見もいいけど
こうやって茶屋街のスパっと開けた東の空に浮かぶ月を眺めるのもまた格別。
(実際、この夜は「何処で月を眺めようか・・ここもあそこも捨て難い」とあちらこちらを歩きまわった)
昼間は観光客でやたら賑わうひがし茶屋街も、夜は歩く人もあまり多くはなく
(タクシーを連ねて馴染みの茶屋へ・・の様な方が多い)ちょっとモッタイナイ気もするけど
「月が浮かぶだけで」とてつもなく美しい光景が出現する・・のはとても金澤らしい。
ひがし茶屋街はこのメインの二番丁の左右にある茶屋街特有の細い二本の通りで構成されている。
(特に一番丁は細く、そして横に枝分かれてしていて初めての人にはちょとした迷路かもしれない)
普通に考えれば「大路」では全然ないけど「茶屋街」で考えれば充分にその資格のある大通り。
特にこんな月が正面に浮かんでいる夜は「月見大路」とでも名付けたくなる風格。
それにしても見事な月。
2010年9月23日午後7時38分撮影

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2011/09/05

名月 主計町 秋


三つある金澤の茶屋街の一つ、ここ主計町は「眼の前に浅野川が流れている」というとても魅力的なロケーション。
しっとりとしたお店でゆっくり食事が出来ても・・・その後玄関を出ると間もなくゴチャゴチャした現実に引き戻される、
他の都市ではありがちな興冷めなコトがここにはない。
そしてこんな風に「出た途端、予想もしなかった素敵な光景に迎えられる」コトもある。
(この日は時間がまだ早いので、この月をしばし眺めて一献・・というトコロか)
夕方までパラついた雨も上がり、透き通った秋の空に浮かぶ白い雲から明るく大きな月が出たり入ったり。
虫たちの声、秋の深まりと共に香りを増してくる金木犀、穏やかな川の音。
たとえ月が浮かんでいなくても・・・微かに聴こえる柔らかい川音をBGMに茶屋街で過ごしお店を出て・・・
季節季節の、その日その日の、さらに時間の経過で変わる大気の香り
(お店にいる間に変わるコトもある)に包まれながら川沿いを歩きそれぞれの家路へ・・・
金澤ではお店に出掛ける時から帰るまでが連続した味わいのある体験となって記憶に残る。
趣きある景色も空気の香りもその日の食体験の大切な一部分。
2010年9月23日午後6時56分

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2011/09/02

浅野‘湖畔’夕景 秋のはじめ 浅野川


浅野川大橋下流の水面はその二本下流、小橋の可動堰の塩梅でしばしば湖の様になる。
普通「湖面」と「堰から流れ落ちる水音」はそうは遠くないと思うけど、ここでは見渡す限り鏡の様な水面が展開する
(実際小橋は川が折れ曲がった先にあるので全く見えない)。
薄紫色の空と雲の姿をはっきり映して束の間の素敵な夕景。
この橋からの眺めは通勤通学で通る多くの人、そして観光客にもお馴染みで(二つの茶屋街の間にある橋でもある)
この日も思わず足を止めて見入っている人、撮影している人がチラホラ。
その中に地元の高校生が数人混じって・・・
目の前の光景の良さをシンプル(見慣れた風景が今日はちょっとだけ綺麗、というふう)に口にしながら携帯で撮影していたりするのも金澤らしい。
2009年9月19日午後6時17分撮影

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