2012/10/18

Blue moon逍遥 石川橋

「山錦樓」トピックからさらに30分ばかり。
時刻は午前4時を廻って、いよいよ傾いてきた月を石川橋で眺める。
小立野台地の終わりに位置する金沢城と手前の兼六園を結ぶ橋。
江戸時代は百間堀と白鳥堀(明治になって埋め立てられて、今はそれぞれ交通量の多い道路と緑の深い散策路になっている)の境目になっていた土橋(橋ではなく堤状のモノ)だった。
桜の季節には多くの観光客で一日中賑わうこの橋は、視界も広く月を眺めるにも絶好の場所。
雲が増えてきて隠れている時間が長くなってきたけど、こういう時チラチラと顔を出す月と刻々カタチを変えながら流れていく雲の創る瞬間瞬間の光景はいいモノ。しばしば惚れ惚れ。
月が広い空に千切れ浮かぶ雲に複雑な陰影をつけ何処か艶かしい背景を創りだしている。
石川橋の欄干をモチーフに時間をかけて丁寧に描かれた古い油絵の様にも見える、一瞬の月景色。
2012年09月01日 04時05分撮影
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2012/10/17

Blue moon逍遥 山錦樓

夏も終盤に向かいつつある8月と9月の境目の夜、2012年は「月に二度目の満月」Blue moon。
夜の大気はワクワクする香りに満ちて、月を巡って歩くにはベストな頃。
「酔月」のトピックから30分も過ぎた頃、ちょっぴり傾きはじめた月が
犀川沿いの料亭「山錦樓」の上に浮かぶ。

こうやって何かの上に、何かを前景として浮かぶ月こそが金澤らしい味わい。子供の頃は絵本でみた様な・・広い空にぽっかり浮かぶ満月に憧れたコトもあったけど・・。
というかこっちの方が却って絵本みたいかも・・(^^ゞ

蛤坂の中腹に建つ三階建(こちら側、背面は四階建て)の建物は大正時代から今も変わらず金澤らしい・・不思議な存在感を漂わせている。
川のこちら側はかつて「人口あたりの飲み屋の数が日本一多い」と言われた繁華街。今でも川沿いに並ぶビルにはラウンジやbarがビッシリ。
ここにも柔らかい次元の境目がありそう。
2012年09月01日03時34分撮影

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2012/09/14

酔月 せせらぎ通り

 複雑な地形、曲がり角の多い道筋、込み入った旧市街に浮かぶ月は思わぬトコロに登場したり、いつの間にか消えてしまったりを繰り返す。そしてその場所、場所にハマって多彩な風景を作る。
犀川上菊橋上流から流れ込み中心部を流れていく鞍月用水が繁華街の裏手を流れる辺り。
高度経済成長期にかなり暗渠化されたけどその後見直され・・・今では‘用水の流れる小粋でおしゃれな裏通り’、こだわりのレストラン、ショップも多く並ぶ「せせらぎ通り」としてすっかり定着している。
(例えば左側、柳の脇に建つビルの1階は予約必須の人気イタリアンも入っている)
直ぐ裏手に長町の武家屋敷跡が広がるここら辺りは、さすがに夜の3時も廻って静かだけど、画面左方面にほんの200メートルも行けば・・まだまだ深夜営業のbarやクラブや居酒屋が軒を連ねるエリアになって明け方まで賑わう。
酔った人達の上に顔を見せる月、気が付く人にもそうでない人にも・・ちょっぴり妖しく秋の月が照らしている。
2012年09月01日午前03時00分撮影

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2012/09/07

四万六千日川柳行燈

 四万六千日は卯辰山の観音院を代表する年中行事。旧暦の7月10日(今年は8月26日)この日にお詣りすると4万6千日分お詣りするのと同じ功徳がある・・というコトで毎年多くの参拝者で賑わう。
暑い暑い夏の盛りにフウフウ言いながら観音坂を登ってお詣りをして、汗ダラダラで護摩焚きをされるお坊さん(お役目とはいえスゴイ・・)の脇を‘西国33ヶ所霊場御砂踏み’をしながら廻り・・開放された本堂の中を巡って玄関先に吊るす玉蜀黍(ひがし〜主計町周辺に観光で訪れた方はよく目にすると思います)を買って帰る。この日だけ焼きトウモロコシを売る屋台も出て・・・でもこちらも暑そう(^^ゞ

これは観音院へ続く長い参道沿いに灯る、四万六千日川柳行燈。(このタイプは「画のみ」バージョン。公募で選ばれた川柳短冊がレイアウトされているモノも沢山ある)
戦前からあって、しばらく途絶えていたものを平成になってまちづくり協議会の方々が復活させたモノ。四万六千日当日の二週間前くらいから観音町通り、約400メートルの参道のアチラコチラにポッポッ、と灯る。
この行燈は界隈を深く愛された版画家クリフトン・カーフさんの豪快で茶目っ気たっぷりな画がハマった一基。
2007年に80歳で他界されてしまっけど、妖しく楽しく仄かに灯る行燈を見ていると(見つめられると)彼の想いが直接語りかけて来る様。2012年08月16日23時00分撮影


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2012/09/01

夕暮れが最も遅い頃 サンセットリバー

 一年で一番遅く夜の帳が降りる6月下旬(この日、日没は19時16分。30分ほどは余韻が残るから完全な夜になるのは20時!近く)夏の中盤以降にもよく出現する、燃える様な濃い夕暮れを迎えている浅野川河畔。
複雑な地形と狭い道が入り組んだ旧市街では、東西の空が広く見渡せる二つの川は夕暮れの多彩な変化を眺める絶好の場。
山頂でご来光を眺め海で夕陽を見送る様に(サンライズ・ビーチよりも、サンセット・ビーチがすんなり来るように)
‘感覚的に低い方に陽が沈む’のが生理的にも受け入れられやすいだろう。
金澤の二つの川も下流方向に陽が沈む。
浅野川大橋(藩政期は「轟の橋」と呼ばれる木製の橋が架かっていたそうだ。参勤交代の行列もここを通った)方向、川下を向いて座り、背後から穏やかな川風を受け、ゆっくり色を変えていく幾重にも織り成す雲の帯をウットリ眺める。
これが川上方向だと多分・・‘なんとなく’しっくりこない(^^ゞ
・・実はこういうコトも金澤の魅力の一端。
このままここで暗くなるまで佇むのもいいけど、ひがし、主計町・・二つの茶屋街にも徒歩でそれぞれ1分、3分の距離。素敵なショーのアフターを楽しむお店にも事欠かない。
2012年06月23日 19時22分撮影
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2012/08/23

しいのき迎賓館 盛夏を過ぎた頃

ようやく朝晩たまに涼しくなるお盆を過ぎた頃から、空も秋の様相をチラホラ見せ始めるけど、
同時に溜まり溜まった夏の熱気が見せる「濃く柔らかい色合い」の夕暮れも頻繁に出現する様になる。
「中心部にこそ市民の憩いとなる広く豊かな空間を確保する」入念な都市計画の元、
郊外に移転した県庁の跡は、格調ある歴史的な旧庁舎の前半分を生かすカタチで
(これはそのアウトラインのまま全面ガラス張りになった後ろ半分)しいのき迎賓館とその廻りの芝生庭園として再生された。
広い広い空の下、この建物すぐ向うは道路を挟んで能楽美術館、21世紀美術館、左隣りは兼六園、真後ろには金沢城のお堀&石垣。
「ダウンタウン」(経済の中心となる地区)と「文化的中心」を分けるこの政策は旧市街の景観保全という点でもなかなかにgood。
今日は今年三年目になる「アカペラ・タウン」という音楽イベントが開催されていて
夕暮れのモワッとした大気がハーモニーで満ちていた。(街中13箇所で行われていたライブのファイナルステージ)
不思議な色が移り変わる空の下で座って眺める人、しばし立ちどまる人、通り過ぎる人・・・夏の夕暮れらしいユッタリした時間。
2012年08月18日18時27分撮影

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2012/08/20

終戦記念日 石川護国神社

雲が高い空は既に秋の気配を漂わせているけど、まだまだ暑い暑い終戦記念日の護国神社。
反りの無い真っ直ぐな円柱を組み合わせたシンプルで力強い鳥居は“靖国鳥居”と言われ全国の護国神社に広く見られるカタチ。
鈍い艶を放つ銅板で覆われた円柱の組み合わせが見せる荘厳な陰影は、この形式ならでは。
単体の建造物(オブジェ)として眺めても充分に美しい。
参道の入口に一つ、そこから右に直角に折れて拝殿に向かう入口にもう一つ。こちらは後者。
毎年この日、ここから拝殿までの広いスペースは大きなテントで覆われて沢山のベンチが並ぶ。
正午の黙祷からかなり時間が経っているけど、
茶色く沈んだ無人のベンチの列の周辺には、今日ここに参列した方々の想いがまだまだ残っている様。
画面奥は推定樹齢600年の五葉松。パワースポットとしても発信中なだけあってなかなかに存在感ある枝ぶり。
こうやって見上げると対照的なこの二つが相乗的なハーモニーを奏でているのがよく分かる。
2012年8月15日17時47分撮影
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2012/06/24

湖上の夢笛

桜が満開の時期もそうだけど、多くの入場者が見込める百万石まつりの三日間も兼六園は無料開園&夜間ライトアップ無料開園(夕刻18時に一度閉めて19時に再び開園)
辻口パティシエの創作菓子も楽しめる「おもてなしカフェ」(飲み物とセットで250~300円。かなり良心的な価格設定)も臨時開設、一流の奏者によるミニコンサートも開催されるなど無料だからとおざなりにしないどころか、さらなるサービスを重るのは金澤らしい。
霞ヶ池に張り出した内橋亭で行われるコトが多いけど、この時は浮かべた小舟で、藤舎眞衣さんによる篠笛の演奏会。
たまにしか行われないイベントなのに(そもそも霞ヶ池に浮かべた舟での演奏は珍しい)照明の配置も(舳先にちょこんと置かれた電池式行燈もgood)クリアに音を拾うワイヤレス・システムも完璧、絶妙な塩梅で舟をコントロールする船頭さんの竿さばきも密かに見事。
なによりも藤舎さんの夢の様なパフォーマンス。「ため息の出るような」・・・ちょっと不思議な位の光景。
ミニコンサート(20分弱)であるコトも「夢現の光景が通りすぎていく」印象を深めている様な。
薪能も同様だけど、無料だからと言って一切手を抜かない・・・どころか最高の演出を、当たり前にさりげなく行う。ケレン味ゼロの本物で魅せる街。
2012年06月03日 19時15分撮影

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2012/06/18

百万石薪能

百万石まつり、と言えばとかく華やかな行列に注目が集まりがち。

だけど実は、前夜の燈ろう流し、そして当日夜の薪能もとても魅力的。
晩春に満ちる濃い緑の薫りの中、ゆっくりゆっくり夜の帳が降りる頃に始まるこの二つのイベントは、金澤の魅力をしみじみ体感できる催し。
開演三十分前からの「子ども能・狂言」、その後二時間、これからの加賀宝生を支える若手から重鎮の方々まで出演される豪華な内容。
少しずつ暗さが増す中、そしてこの夜の強い風に、紙垂が盛んにはためいて 炎がゆれ煙がたなびき、城内遠くからは風に乗って微かに蛙の合唱が聴こえ・・そんな中でゆっくりゆっくりと進行していく能を眺めるのはとても贅沢で、その本来の魅力が沁みてくる。
地謡と囃子のゆったりとした流れ、全ての瞬間が美しい動きと佇み、・・野外の絶えず変化する環境での観能はなおさら「静の美」がひしひしと伝わってくる。
無料!というコトもあって気軽に立ち寄ってしばし眺め・・・虜になる人も多い。
(退屈そうに帰ってしまう方も中にはいらっしゃるけど)
こんな良質な能の催しが無料でさりげなく行われ・・・それを毎年多くの人達が当たり前に楽しむ。藩政期の金澤に花開いた多彩な文化が受け継がれ発展し続ける理由はこういうトコロにもある。単に「戦災を免れて」残っているワケでは全くない。
2012年06月02日19時56分撮影

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2012/04/30

浅野川桜夕景 藍鼠 水柿

 気象台発表による開花宣言から約一週間後の夜のはじめ。
満開のまま、まだまだ散る気配がない桜。
対岸の料亭の明りが川面を鈍い銀色に照らして、夜は夜ならではの趣。
(藍鼠の水面に水柿色に浮かぶ花・・・日本の伝統色はこういう微妙な色を的確に表現出来る)
私が四半世紀以上暮らした東京の花見は
「この一瞬を楽しまないと」と言わんばかりのドンチャン騒ぎが一般的だろうけど(^^ゞ 金澤では「本来の花見」を楽しんでいる姿を多く見かける。
昔からよく「金澤には大きなお祭りがない」と言われるけれど(例えば百万石祭りはパレード的な要素がメイン)お祭りの重要な効能「日常(ケ)から非日常(ハレ)への移行」は実は日々の暮らしの中、こういう光景の中で佇んでいる人の心の内面で起こっている・・・んだと思う。
別段、賑やかな「桜祭り」などをしなくても
「こんなシチュエーションでこんな光景を見上げていれば」充分に非日常(ハレ)の体験。
金澤は日常に非日常が、日々の暮らしの中に夢幻が入り混じる街。
2012/04/16 18:59
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2012/04/24

浅野川桜夕景 瑠璃紺 薄花桜

旧市街を流れる2つの川沿いは、何処の街でもそうであるように桜の見所にもなる。
ただ他の街とちょっと違うのは「ただそれだけをズラッと植えない」こと。
この桜のすぐ近く、ひがし茶屋街では藩政期、桜と柳が交互に配置されていたそうだ。
「色合いも良く、それはそれは優雅な景色だったと思いますよ」とこの街の歴史に詳しい方が仰っていた。
豊富な財力で「お城から桜霞を遠景を楽しむため」にあちらこちらに桜を植えたりしたけど「桜だらけ」の場所は特に無い。
浅野川沿いのこの場所もそもそも並木としては短い。対岸は半分松並木。そして橋の袂には柳、枝垂れ桜・・・・
こういう街の桜は物量よりも配置と枝ぶりの妙。
役者揃いの浅野川大橋〜梅ノ橋間の桜の中でも‘アタマ一つ’抜き出ている(と勝手に私が思っている)
この桜の写真を友人が「日本画の様ですね」と言うので
「それなら・・」とタイトルにもこの景色に近い日本の色の名前を探してあててみた。
沢山の微妙な色‘その名づけの妙’に感心すると同時に
「それだけ淡く微妙な配色の風景の中に暮らし、僅かな色の変化を慈しんでいたんだろうなぁ」と、羨ましくもなった。
薄闇に沈む桜を眺めながらそんな時代にちょっと想いを馳せるのも金澤らしい花見。
2012年04月12日18時42分撮影

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2012/04/23

花待月 立待月

日増しに蕾も膨らんで、間もなく開花を迎えそうな4月初めの夜。(金澤では例年桜の開花は4月の上旬あたり)
芽吹いてしまえばあっという間に空は覆われてこんな風には眺めるコトの出来ない「枝越しの月」
この日は雨が降ったり止んだり。速く流れる雲から月が出たり入ったり。
浅野川沿いに並んだお花見のボンボリに濡れた枝が艷めき、月の光が透明な大気、真っ白い雲に淡く散乱し・・・鈍く沈んだ金と銀の対比を見せていて思わず足を止めた。
まだまだ力強く輝く17夜月(立待月)が、蕾のアタマをやんわりと引っ張っている様な・・・(今年は満月を過ぎての開花だったので本格的な桜と月の共演はなかったけど)
立待月は「月がもうじき出そうだなぁ・・」と立って待っている間にもう出てくる月、という意だけど(その後で座って待つ居待月、寝て待つ寝待月・・・昔の月待ちは優雅だ)
この月は「蕾はどれくらい膨らんだかな・・開花はいつかな」と桜の枝を見上げた時、一緒に思わず目にしてしみじみ眺める月。花待月。
2012/04/07 23:55

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