2012/11/14

雨の釉薬 紅葉 帰厚坂

金澤は雨も多いけど日照時間もそれ程少なくない(ここ20年くらい平均で東京の約9割)
確かに冬に限って日差しは少なくなるけど、それでも細かい晴れ間が無数に挟まる日は多い(何回も・・というよりは‘無数’と言ったほうが感覚的には近い。天気雨も多いし)
街中・・・家々も木々も道路もシットリと濡れたトコロに陽光が当たってきらめく、そんな光景が頻繁に出現する。

卯辰山中腹へ伸びる帰厚坂は最期の藩主が民衆のための厚生施設建設事業の中で切り開いた坂筋が原型。‘藩主の厚き徳に帰する’坂というのが名の由来。(城を見下ろすコトが出来る、という理由でそれまで庶民の卯辰山入山は禁止されていた。確かにこの遥か向う正面には兼六園の木々が見える)
その両サイドから気の早い木々達が散らした葉、まだまだ紅葉もまばらな森、連なる瓦屋根・・・全てが柔らかい艶を放っている。まだまだ紅葉序盤の美しい光景。
2012年11月10日 13時25分撮影
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2012/11/07

桜白洲 兼六園

複雑な地形の旧市街では桜は一斉に満開を迎えない。高低差や日当たりの違い・・様々な地勢的要素の違いにより細かく時期をずらして咲き誇る。
小立野台地の終わりに立地する兼六園も同じで、園内の桜はあちらこちら時間差で満開を迎える。
旧市街同様、時間差で花見、花吹雪が楽しめる。そして散った後も・・
この日、花吹雪を観ようと園内お目当ての場所へ出掛けてみたら、既にかなり散ってしまっていたんだけど・・・代わりにこんな素敵な光景に出会えた。
ゆっくりゆっくり流れる曲水が優しく一枚一枚を寄せて桜の‘白洲’を作っている。
(画面上方の花びら達は今にも白洲に加わろうしている最中)
思わず見入ってしまう。穏やかな流れならではの密集具合。砂紋の様な模様も美しい。(クリックして頂ければわかるけど、こぼれた砂利が沈まずに!乗っている)
だけど・・きっと長くても数時間で崩れてしまう儚い光景でもある。
これも金澤らしい花見。2012年04月21日 17時49分撮影
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2012/11/01

ようこそ金澤コンシェルジュへ

金澤は、その狭い旧市街に多くの魅力的な点を含んだとても趣深い複雑な面。
 ここは
従来のポイント、イベント、特定地区メインの観光ガイドから一歩踏み込んだ

「旧市街全体を味わってもらうためのガイド」サイトです。
「普段の金澤に溢れる真の金澤らしさ」を

訪れる方にも、住んでいる方にも改めて知って頂くために

金澤がなぜ独自の文化を持った街なのか。そしてそれを‘更に金沢らしく’発展させ続けられているのか
 起伏の多い地形の高低を結ぶ多くの趣のある坂、狭い路地や用水が巡る複雑に入り組んだ街の構造、 変化に富んだ気候が見せる多彩でダイナミックな風景、 細やかに移ろう季節の香り、 意識するしないに関わらずそれらに毎日接しているコトに根本の原因があると私は思っています。

 旧市街の日常の細部、一瞬に宿る美、趣きに接し続けるコトで育まれていくこの街ならではの美意識。 いわば「金澤美意識原器」。 

 金澤らしさとは何か・・と問わればそれは 
「そういう美の基準を元に世代を超えて育まれてきた、生活の全てに宿るこの街独特の趣き」 

 このサイトでは旧市街の日常に溢れるそれらを拾い集めて簡単な解説を付けたモノを延々アップしています。  金澤という街の底知れない魅力を皆さんにお届けしたいし、私もまだまだ発見していきたい。

2012/10/31

蒼鷺庭園 時雨亭

兼六園の時雨亭は平成12年に再建された新しい建物だけど、そのルーツは1676年に5代藩主綱紀が建てた蓮池(れんち)御殿まで遡る。(その建物の周りに設えたお庭、蓮池庭が兼六園の始まりでもあった。その後6代藩主吉徳が規模を縮小して建て替えたものが明治初期まで残っていた)
再建にあたっても、極力当時を再現。建材にはじまり、一本の釘も使わない工法、漆を8層!も塗り重ねた深い艶の天井から、障子紙の特殊な貼り方に至るまで・・・一切の妥協はない(貴重な技術の継承、育成にも役立っているのだろう。設計会社を経営する友人が感心しっぱなし・・だった)

この日はたまにパラつく雨が、辺り一帯にシットリと艶を与え程よく匂い発たせて・・・此処で過ごすにはなかなかのコンディション。一般的には少し蒸す6月半ばのどんよりした夕方、だろうけど(^^ゞ

滝の音、水の音を聴きつつ、園内の様々な香りを運んでくる優しい風に包まれて・・・
なかなか暗くならない梅雨の夕暮、いつまでも動かない蒼鷺のいる庭園に相対している時間は淡く深く・・・とても金澤らしい味わい。
2012年06月16日 18時20分撮影
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2012/10/19

月下の‘現在’美術館

 夕暮れまでは、ダイナミックに微妙に変化する空の色を映し、そしてこんな夜は月が映える金沢21世紀美術館。
全面ガラスの外壁を通して優しい光を放つ建物は、周りに広がる芝生もフンワリ浮かび上がらせて普段の夜も充分に美しいけど、月との共演によってさらにグッと魅力を増す。
※有料ゾーン閉館後も外側の無料ゾーンは夜10時まで引き続き開館しているので、夜も柔らかく輝いている。(ちなみにこの日金曜は夜8時まで有料ゾーンも延長開館)
設計者であるSANAA(妹島和世、西沢立衛による建築家ユニット)はこの建物によってヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞受賞、建物自体も複数の賞を受賞している(2010年には建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞も受賞)
単体としての建築も世界でオンリー・ワンの見事な存在だけど月下の姿もまた格別な美しさ。
「月に映える現代建築」を選定するコンクールがあったらまた一つ賞が増えそうだ。
2012年09月28日 18時29分撮影

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2012/10/18

Blue moon逍遥 石川橋

「山錦樓」トピックからさらに30分ばかり。
時刻は午前4時を廻って、いよいよ傾いてきた月を石川橋で眺める。
小立野台地の終わりに位置する金沢城と手前の兼六園を結ぶ橋。
江戸時代は百間堀と白鳥堀(明治になって埋め立てられて、今はそれぞれ交通量の多い道路と緑の深い散策路になっている)の境目になっていた土橋(橋ではなく堤状のモノ)だった。
桜の季節には多くの観光客で一日中賑わうこの橋は、視界も広く月を眺めるにも絶好の場所。
雲が増えてきて隠れている時間が長くなってきたけど、こういう時チラチラと顔を出す月と刻々カタチを変えながら流れていく雲の創る瞬間瞬間の光景はいいモノ。しばしば惚れ惚れ。
月が広い空に千切れ浮かぶ雲に複雑な陰影をつけ何処か艶かしい背景を創りだしている。
石川橋の欄干をモチーフに時間をかけて丁寧に描かれた古い油絵の様にも見える、一瞬の月景色。
2012年09月01日 04時05分撮影
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2012/10/17

Blue moon逍遥 山錦樓

夏も終盤に向かいつつある8月と9月の境目の夜、2012年は「月に二度目の満月」Blue moon。
夜の大気はワクワクする香りに満ちて、月を巡って歩くにはベストな頃。
「酔月」のトピックから30分も過ぎた頃、ちょっぴり傾きはじめた月が
犀川沿いの料亭「山錦樓」の上に浮かぶ。

こうやって何かの上に、何かを前景として浮かぶ月こそが金澤らしい味わい。子供の頃は絵本でみた様な・・広い空にぽっかり浮かぶ満月に憧れたコトもあったけど・・。
というかこっちの方が却って絵本みたいかも・・(^^ゞ

蛤坂の中腹に建つ三階建(こちら側、背面は四階建て)の建物は大正時代から今も変わらず金澤らしい・・不思議な存在感を漂わせている。
川のこちら側はかつて「人口あたりの飲み屋の数が日本一多い」と言われた繁華街。今でも川沿いに並ぶビルにはラウンジやbarがビッシリ。
ここにも柔らかい次元の境目がありそう。
2012年09月01日03時34分撮影

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2012/09/14

酔月 せせらぎ通り

 複雑な地形、曲がり角の多い道筋、込み入った旧市街に浮かぶ月は思わぬトコロに登場したり、いつの間にか消えてしまったりを繰り返す。そしてその場所、場所にハマって多彩な風景を作る。
犀川上菊橋上流から流れ込み中心部を流れていく鞍月用水が繁華街の裏手を流れる辺り。
高度経済成長期にかなり暗渠化されたけどその後見直され・・・今では‘用水の流れる小粋でおしゃれな裏通り’、こだわりのレストラン、ショップも多く並ぶ「せせらぎ通り」としてすっかり定着している。
(例えば左側、柳の脇に建つビルの1階は予約必須の人気イタリアンも入っている)
直ぐ裏手に長町の武家屋敷跡が広がるここら辺りは、さすがに夜の3時も廻って静かだけど、画面左方面にほんの200メートルも行けば・・まだまだ深夜営業のbarやクラブや居酒屋が軒を連ねるエリアになって明け方まで賑わう。
酔った人達の上に顔を見せる月、気が付く人にもそうでない人にも・・ちょっぴり妖しく秋の月が照らしている。
2012年09月01日午前03時00分撮影

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2012/09/07

四万六千日川柳行燈

 四万六千日は卯辰山の観音院を代表する年中行事。旧暦の7月10日(今年は8月26日)この日にお詣りすると4万6千日分お詣りするのと同じ功徳がある・・というコトで毎年多くの参拝者で賑わう。
暑い暑い夏の盛りにフウフウ言いながら観音坂を登ってお詣りをして、汗ダラダラで護摩焚きをされるお坊さん(お役目とはいえスゴイ・・)の脇を‘西国33ヶ所霊場御砂踏み’をしながら廻り・・開放された本堂の中を巡って玄関先に吊るす玉蜀黍(ひがし〜主計町周辺に観光で訪れた方はよく目にすると思います)を買って帰る。この日だけ焼きトウモロコシを売る屋台も出て・・・でもこちらも暑そう(^^ゞ

これは観音院へ続く長い参道沿いに灯る、四万六千日川柳行燈。(このタイプは「画のみ」バージョン。公募で選ばれた川柳短冊がレイアウトされているモノも沢山ある)
戦前からあって、しばらく途絶えていたものを平成になってまちづくり協議会の方々が復活させたモノ。四万六千日当日の二週間前くらいから観音町通り、約400メートルの参道のアチラコチラにポッポッ、と灯る。
この行燈は界隈を深く愛された版画家クリフトン・カーフさんの豪快で茶目っ気たっぷりな画がハマった一基。
2007年に80歳で他界されてしまっけど、妖しく楽しく仄かに灯る行燈を見ていると(見つめられると)彼の想いが直接語りかけて来る様。2012年08月16日23時00分撮影


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2012/09/01

夕暮れが最も遅い頃 サンセットリバー

 一年で一番遅く夜の帳が降りる6月下旬(この日、日没は19時16分。30分ほどは余韻が残るから完全な夜になるのは20時!近く)夏の中盤以降にもよく出現する、燃える様な濃い夕暮れを迎えている浅野川河畔。
複雑な地形と狭い道が入り組んだ旧市街では、東西の空が広く見渡せる二つの川は夕暮れの多彩な変化を眺める絶好の場。
山頂でご来光を眺め海で夕陽を見送る様に(サンライズ・ビーチよりも、サンセット・ビーチがすんなり来るように)
‘感覚的に低い方に陽が沈む’のが生理的にも受け入れられやすいだろう。
金澤の二つの川も下流方向に陽が沈む。
浅野川大橋(藩政期は「轟の橋」と呼ばれる木製の橋が架かっていたそうだ。参勤交代の行列もここを通った)方向、川下を向いて座り、背後から穏やかな川風を受け、ゆっくり色を変えていく幾重にも織り成す雲の帯をウットリ眺める。
これが川上方向だと多分・・‘なんとなく’しっくりこない(^^ゞ
・・実はこういうコトも金澤の魅力の一端。
このままここで暗くなるまで佇むのもいいけど、ひがし、主計町・・二つの茶屋街にも徒歩でそれぞれ1分、3分の距離。素敵なショーのアフターを楽しむお店にも事欠かない。
2012年06月23日 19時22分撮影
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2012/08/23

しいのき迎賓館 盛夏を過ぎた頃

ようやく朝晩たまに涼しくなるお盆を過ぎた頃から、空も秋の様相をチラホラ見せ始めるけど、
同時に溜まり溜まった夏の熱気が見せる「濃く柔らかい色合い」の夕暮れも頻繁に出現する様になる。
「中心部にこそ市民の憩いとなる広く豊かな空間を確保する」入念な都市計画の元、
郊外に移転した県庁の跡は、格調ある歴史的な旧庁舎の前半分を生かすカタチで
(これはそのアウトラインのまま全面ガラス張りになった後ろ半分)しいのき迎賓館とその廻りの芝生庭園として再生された。
広い広い空の下、この建物すぐ向うは道路を挟んで能楽美術館、21世紀美術館、左隣りは兼六園、真後ろには金沢城のお堀&石垣。
「ダウンタウン」(経済の中心となる地区)と「文化的中心」を分けるこの政策は旧市街の景観保全という点でもなかなかにgood。
今日は今年三年目になる「アカペラ・タウン」という音楽イベントが開催されていて
夕暮れのモワッとした大気がハーモニーで満ちていた。(街中13箇所で行われていたライブのファイナルステージ)
不思議な色が移り変わる空の下で座って眺める人、しばし立ちどまる人、通り過ぎる人・・・夏の夕暮れらしいユッタリした時間。
2012年08月18日18時27分撮影

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2012/08/20

終戦記念日 石川護国神社

雲が高い空は既に秋の気配を漂わせているけど、まだまだ暑い暑い終戦記念日の護国神社。
反りの無い真っ直ぐな円柱を組み合わせたシンプルで力強い鳥居は“靖国鳥居”と言われ全国の護国神社に広く見られるカタチ。
鈍い艶を放つ銅板で覆われた円柱の組み合わせが見せる荘厳な陰影は、この形式ならでは。
単体の建造物(オブジェ)として眺めても充分に美しい。
参道の入口に一つ、そこから右に直角に折れて拝殿に向かう入口にもう一つ。こちらは後者。
毎年この日、ここから拝殿までの広いスペースは大きなテントで覆われて沢山のベンチが並ぶ。
正午の黙祷からかなり時間が経っているけど、
茶色く沈んだ無人のベンチの列の周辺には、今日ここに参列した方々の想いがまだまだ残っている様。
画面奥は推定樹齢600年の五葉松。パワースポットとしても発信中なだけあってなかなかに存在感ある枝ぶり。
こうやって見上げると対照的なこの二つが相乗的なハーモニーを奏でているのがよく分かる。
2012年8月15日17時47分撮影
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