2015/07/06

いもり光路

  左、金沢城公園の城壁、右はしいのき迎賓館。正面は兼六園。様々な生き物達の住処にもなっている旧市街中心部、生態系に配慮して極力照明は控えめになっている。
 以前にも取り上げている、いもり堀沿いに設えられた‘路面だけを照らす’照明。実際歩道に立つとこんな光景。ちょっと幻想的な光の路が暗闇に浮かび上がっている。柔らかくうねるその道筋は、昇ってきた月の明りを海原が反映している様にも見えなくは・・ない。そんな想像も楽しい5月の始めの金澤らしい朧月夜。2015年05月02日 19時42分撮影 

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主計町桜釉薬掛け

 金澤は昔から「雨の多い街」として知られてきた。実は4月から10月までは全ての月で東京よりも日照時間は長い(ここ30年の統計、ちなみに3月から11月までの総日照時間でも金澤の方が長い)ので、雨も多いけど「雨に濡れた街が輝く瞬間が多い街」でもある。
この日は春らしい薄曇りの雨模様。雨の釉薬がかかった茶屋街の石畳がボンボリに淡く浮かび上がる、いかにも金澤らしい光景。彼方に霞む卯辰山、水かさを増せど相変わらず優しい浅野川の水音、漂う春の香りの中の風雅な夕暮れ。2015年4月3日 18時17分撮影
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2015/02/28

金沢城石垣 桜囲み

 以前にも書いているけど、金澤での花見は廻りの風景との‘調和による美’を意識するとより味わい深い。ここは金沢城と兼六園を繋ぐ石川橋から真弓坂入口方面に向かって緩やかに降りていく蓮池門通りの中程。
 通り脇に斜面に、お堀通りを挟んで金沢城側にも二段に分かれて咲く桜、見事な石垣、その上「本丸園地の森」の木々たち・・・それらで構成される刻々と変化する光景を眺めつつそぞろ歩いて、よくこの場所に立ち止まる。
 絵師がその腕前を駆使して描いた様な枝ぶりの下から覗く陰影に富む石垣の造形、取り囲む‘遠く近くに’咲く桜、それらのバランスについつい見とれてしまう。絵画の中を彷徨っているかの様な花見、の一コマ。2014年4月11日17時55分撮影
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2015/02/17

桃源峡谷 木曽谷

 金沢のホントの魅力はスポットではなく‘複雑な地形’全体(と変化に富んだ気候)にある、と思う。(歩いて歩いて佇んで・・徐々に沁みてくる魅力。街全体をゆっくり庭園の様に散策して初めて分る魅力)
 金沢旧市街の中心を背骨の様にまっすぐ貫く小立野台地の両側に展開する複雑な地形の中でも、最も入り組んでいる‘木曽谷’と言われる地域。此処は画面手前にほぼ隣接している前田家菩提寺宝円寺(俵屋宗達のモノとされるお墓もある)脇から谷へ降りる名もない階段坂だけど、ここを通る人達に愛されている坂であろうことは容易に想像出来る、幸せな包まれ感がある場所。
 花のまま落ちた桜(多くはスズメが遊んで落としたモノだろう。突然桜が散り始めた・・と思って見上げるとスズメ達が桜の枝で遊んでいる・・というコトがよくある)に飾られた坂の途中で寛ぐ親子、春の始めの真ん中の幸せな夕方。桃源峡谷。2013年4月4日16時53分撮影
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2015/02/13

くわな湯桜 一輪挿し

 金澤旧市街には桜が多く植えられている。藩政期にお殿様がお城から桜霞を眺めようと寺町台地斜面に植えてみたり、日露戦争勝利記念にアチコチに植えたり 最近ではワシントンの桜を里帰り植樹もしたり(当初、米国への桜の贈呈には金沢出身の高峰譲吉博士も大いに尽力した)それぞれの時代に様々な思惑で植えられてきた桜がこの街の複雑な地形とも相俟って(気温差、日照差などの影響で)時期をズラしながら咲き誇る。
 樹齢100年を超える熟練役者達の見事な咲きっぷりにも惚れ惚れするが、こういうふうに若い桜がポッと咲いている光景も金澤らしい桜風姿。
 主計町茶屋街の細い細い裏路地を直角に曲がった瞬間に視界に飛び込んできた一本の若桜。一輪挿しに生けた花の様。2014年4月10日15時22分撮影
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2015/02/12

パーソナル・ナイト・ミュージアム 21世紀美術館

 21世紀美術館は毎晩22時まで交流ゾーン(外周部分)を無料で開放している。無料と言ってもそこは金澤、タレルの部屋(ブルー・プラネット・スカイ)で延々と佇むコトも(瞑想や読書にも最適)ヤン・ファーブルの「雲を測る男」を正面に、マイケル・リンのロッキング・チェアに揺られつつボンヤリ心地よい時間を過ごすコトも出来る。そして・・・そもそもプリツカー賞(建築界のノーベル賞とも言われる)建築家ユニットSANAA設計による館を逍遥するだけで其処彼処に・・・パーソナルな美景を見つけるコトが出来る。
 例えば外周部分でたまたま目の前に出現したこんな景色。闇をスーっと貫くレストランの反射光と、建物の直線曲線が織り成す調和の美しさに不意打ちされた。
 パーソナル・ナイト・ミュージアム。2015年1月7日18時51分撮影
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2015/01/26

ルバンの明り

 日中この辺りは旧市街の表通りを回避するクルマで遅くまで混雑する。打って変わって静寂に包まれた夜、「角のパン屋さん」(ルバン in おやま)の明りだけがフワッと闇に浮かんでいる。空には昇り始めた半月。光と闇の塩梅、微妙に三次元的に傾きのある地形も相俟って、優しい夜の小景。旧市街の夜のあちらこちらに時々、ほぼ偶然ポッと出現する「小さな美景」
 金澤では昼間歩き慣れた(クルマで通り慣れた)道にも、思いがけず発見がある、というか街の造りが自然と「そういう感性」に囁きかける、と言うべきか。
 画面奥(暗くて見えないけど)は尾崎神社(1643年に金沢城内に建立。現在の地には1878年から)通り左手には金沢市指定文化財「旧園邸」(1920年頃築)、金沢出身の谷口吉郎(東宮御所、帝国劇場、東京国立近代美術館などが代表作)設計による石川県繊維会館(現西町教育研修館、1952年築)なども並ぶ。密かに歴史もある通り。2015年1月14日午前2時30分撮影
※ル・ヴァン(Levain)とはフランス語で酵母。
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2015/01/19

金沢文芸館 冬のイルミネーション

日没から22時まで仄かにライトアップされる金沢文芸館(国登録有形文化財)は1929年築の元銀行。(市が改修し平成17年に文芸館として開設)
 大きく張り出した枝全体に雪溶けの雫をたわわに付けた街路樹が街灯の光を受けてキラキラ光る冬のイルミネーションの様。窓枠から漏れる優しい光の表情と相俟って印象的な夜の小景を作っている。あと数時間、ライトアップが終わってしばらくした頃には・・もうこんなふうには煌めいていないだろう。
 雪は降り積もって辺りを塗り替え、溶けて艶をかけ、そしてあっという間に無くなってしまう。絶えず移り変わる景色の刹那、冬のイルミネーション。2015年1月1日20時15分撮影



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2015/01/10

金澤美意識原器

金澤がなぜ独自の文化を持った街なのか。そしてそれを更に発展させ続けているのか
私は・・・起伏が多く複雑に入り組んだ街の構造、と変化に富んだ気候が見せる多彩でダイナミックな風景、
意識するしないに関わらずそれらに毎日接しているコトに根本の原因があると思う。
旧市街の日常の細部、一瞬に宿る美、趣きに接し続けるコトで育まれていくこの街ならではの美意識。
いわば「金澤美意識原器」。
食、工芸、芸能、芸術、文学・・・全てに影響を与えてきた「金澤感覚基準」金澤らしさの根本。
このBlogでは旧市街の日常に溢れる‘原因’を拾い集めて簡単な解説を付けたトピックを延々アップしています。 
金澤という街の底知れない魅力を沢山皆さんにお届けしたいし、私もまだまだ発見していきたい。

雪眠りの動物達 紺屋坂脇石段坂

 大晦日の夕暮れからにわかに降り始めた雪がドンドン旧市街中を塗り替えてゆく。
 兼六園下バス停と兼六園桂坂口方面を繋ぐ階段坂(平らに薄く載った雪の様子から、つい数時間前まで雪が全くなかったコトがなんとなくお分かりになると思う)脇の斜面がプーリー犬(モップ状の毛足を持つ犬)が密集して寒さをしのいでいる風に見えてつい立ち止まる。
 雪はしばしば、見慣れた風景の細部を思わぬカタチに変身させる。刻々と変化する‘そういうモノ’を見つけに眺めに逍遥するのも金澤らしい雪の楽しみ方。2015年1月1日午前1時4分撮影
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雪の中の三博士 金沢城 いもり堀 広坂緑地

  元旦の夕暮れ、あたり一面を真っ白に塗り替えた雪の中を旅行者風の三人が等間隔で姿勢良く歩いてゆく。(地図で兼六園から尾山神社へ向かうルートを調べてここを歩いている・・と想像)視界に入ってからず〜っと観るとはなしに眺めていて・・なんとなく「東方の三博士」の画を思い出していた。
 生態系にも配慮した控えめな(金沢城「本丸園地の森」には殆ど光が届いていない)ライトアップが始まって間もない時間。
 しいのき迎賓館から金沢城までは完全に景観がコントロールされ、全面ガラス張りの金沢城公園側からは館の何処からでもその全貌がユッタリ見渡せる様になっている。
 画面奥から金沢城、いもり堀(明治40年に旧陸軍が埋め立て戦後は長年テニスコートだったが移転、数年に渡る発掘調査後、鯉喉櫓台と共に復元)そして新たに整備された広坂緑地。今日積もった雪、目の前を通る人。金澤らしい、数百年に渡る時代が層を成してこの一瞬に成立した光景。2015年1月1日16時51分撮影
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2015/01/04

観音院表参道 経田屋米穀店 

 東山一丁目(旧観音町)観音院に向かって真っ直ぐ伸びる参道(しばらく進むと観音坂の少し手前から斜め右に折れる、江戸時代とまったく変わらない道筋)大晦日の夜から元旦一日中降り続いて、2日も断続的に降って街中真っ白に染めた雪だけど、降っている最中もドンドン溶けて夜通し溶けて・・3日の夜にはご覧の様にかなり溶けてしまった。
 右に写っているのは金沢市指定保存建造物、登録有形文化財(文化庁)でもある「経田屋」さん(1904年築)数百年変わらない道筋と百年以上変わらない建物と・・遥か昔から変わらない月が見せるさり気なく美しい、金澤の夜の小景。2015年1月3日18時15分撮影
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