2010/06/04

金澤玉響 天神橋 春の朝

新緑や川面がまだ本格的に輝きはじめる前の、透明な朝の時間。
ゆったり天神橋を渡る犬連れの人の周りにも、
夜の間に緑がタップリ吐き出した濃い香りがまだまだ漂っている。
橋の上に見える警備員さんは
「工事によって一時的に出現している路面のちょっとした凹凸をお知らせする」
ために立っていて、クルマがやってくる度にやんわりと徐行を促している。
目で見ても、実際乗り越えても全然大したギャップじゃないんだけど、
穏やかな表情と仕草に促され、思わずユルユルっと通過してしまう。
現在では立派な鉄の橋だけどその昔、この辺りに架かる橋は
付近住人がお金を出してかけた木製の仮橋で、
通行料を取ったため「一文橋」と呼ばれていた。
(中の橋もそうだけど、複数架かっていたらしい)
警備員さんの仕草を見ながらフト、
「その昔、橋を渡る人から料金を取る人の仕草も、こんな‘やんわり’したカンジだったのかな・・・」
なんて夢想が過ぎった。
何世代にも渡って人々の営みが積み重なった街のちょっとした楽しみ。


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