兼六園は鑑賞に適した期間を選んで、年に何度もライトアップ&無料夜間延長開園を実施する。(特に桜の時期は一週間!も)
普段は遅くとも6時には閉園してしまうこの庭園は、ライトアップ照明設備を常設しているワケではないので、
毎回の趣向に合わせた照明をその都度、わざわざ設置、撤去するという手間をかけての無料夜間開園でもある。
そして「中秋の名月鑑賞」開園ではかなり落とした照明、今回の様に「雪吊り&紅葉鑑賞」開園では照明もそれなりに派手目・・と配慮も怠りない。(霞ヶ池に張り出した内橋亭では一流の奏者によるミニコンサートも催され、その時は霞ヶ池周辺が贅沢なBGMで満たされる)
前日からの雨も上がった暖かいこの夜は十七夜の月も雲間から顔を出し、絶好のコンディション。
これは写真愛好家で賑わう栄螺山中腹から。
ここからの光景も美しいけれど、歩みを進める毎に変化する景色を楽しみ、絵画の中を歩くようにお庭を鑑賞するコトに兼六園の醍醐味はある。
旧市街散策でもしばしば感じる「そういう感覚」は、さすがにこの庭園では顕著。
有名な霞ヶ池をバックにした徽軫灯籠の風景も、連続して変化する一瞬一瞬として眺めてこそ味わい深い。実は近づく途中も、離れていく途中も、様々に微妙に変化する風景は破綻するコトなく観るモノを楽しませてくれる。(2010年11月23日19時45分撮影)
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2010/10/31
金澤現在夢幻2010
金澤の細部に宿る「ホントの金澤の魅力」、現実と夢幻の入り混じる感覚を感じてもらう ためのスライドショームービー。
ここ数年撮影した「金澤の細部、一瞬」から構成した夢 のような現実の光景。
音楽は月夜の旧市街を思い浮かべて即興したピアノ曲「glossy pebbles」
2010/10/21
月に柳 ひがし二番丁 中秋

金澤旧市街では様々な風景の中に配置されて(浮かんで)いる月を眺め楽しむコトが出来る。
刻々とカタチを変えながら流れていく雲、
一歩一歩、歩みを進める度に変化していく周りの景色、
その中に浮かぶ月。
一瞬一瞬の光景の連続した味わいが金澤のお月見の醍醐味。
これはひがし茶屋街二番丁の広見からの、ある一瞬
(10年9月23日午後7時25分)の光景。
この前にも後にも歩きながら何枚か写真を撮ったけど・・・
あとで観てみるとそれぞれ雰囲気が違う。
月の浮かぶ「絵」の中に入っていってその中を自由に歩きまわっている様な・・・そんな感覚。
旧市街の散策ではしばしばそういう「絵の中にいる様な感覚」を味わうコトがあるけれど、こんな月夜はひときわ。
桜や紅葉の時期をチェックするように、満月の日を意識して旅のプランを立てるコトもかなりオススメ。
金澤でしか体験出来ない、真に金澤らしいお月見、月の光景。
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一瞬一瞬の光景の連続した味わいが金澤のお月見の醍醐味。
これはひがし茶屋街二番丁の広見からの、ある一瞬
(10年9月23日午後7時25分)の光景。
この前にも後にも歩きながら何枚か写真を撮ったけど・・・
あとで観てみるとそれぞれ雰囲気が違う。
月の浮かぶ「絵」の中に入っていってその中を自由に歩きまわっている様な・・・そんな感覚。
旧市街の散策ではしばしばそういう「絵の中にいる様な感覚」を味わうコトがあるけれど、こんな月夜はひときわ。
桜や紅葉の時期をチェックするように、満月の日を意識して旅のプランを立てるコトもかなりオススメ。
金澤でしか体験出来ない、真に金澤らしいお月見、月の光景。
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2010/09/13
金澤玉響 夏の暁 浅野川
旧市街を平行に流れる二つの川では、上流から日が昇り、下流に落ちる。
(子供の頃は上流から日が昇ってくるのは当たり前だと思っていたけど、実はなかなかラッキーなコトでもある)
旧市街は「兼六園の外に広がるもう一つの兼六園」と見立て廻ると一層味わい深い。
「人力と蒼古」(入り組んだ地形の其処彼処に)「水泉と眺望」(旧市街の背骨、小立野台地を通る辰巳用水は様々な水泉をもたらしている)も兼ね備え実際その条件は満たしている。
(10年8月6日午前4時34分)
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(子供の頃は上流から日が昇ってくるのは当たり前だと思っていたけど、実はなかなかラッキーなコトでもある)
起伏に富む旧市街において、東(正しくは南東方向)に遮るモノのない二つの川は夜明けを眺めるには最適な場所。
特に此処、浅野川、梅ノ橋からの光景は犀川、上菊橋からと並びダイナミックで美しい。
特に此処、浅野川、梅ノ橋からの光景は犀川、上菊橋からと並びダイナミックで美しい。
上流から吹いてくる風に包まれながら川上に向かって佇んでいると、山々の稜線が少しずつ明るくなってきて、やがて空を映す川面の色も変化し始める。広大な光景。
でもすぐ左側には卯辰山の深い森が迫っていて・・ここにも兼六の「相反する」景観要素である宏大と幽邃があると思う。
(明るく開放的かつ静寂で奥深い)
(明るく開放的かつ静寂で奥深い)
旧市街は「兼六園の外に広がるもう一つの兼六園」と見立て廻ると一層味わい深い。
「人力と蒼古」(入り組んだ地形の其処彼処に)「水泉と眺望」(旧市街の背骨、小立野台地を通る辰巳用水は様々な水泉をもたらしている)も兼ね備え実際その条件は満たしている。
(10年8月6日午前4時34分)
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2010/08/19
黎明鏡 霞ヶ池 兼六園 夏の夜明け
兼六園は年中早朝無料開園を実施している。
特に4月のはじめから8月の終わりまでは午前四時から開園しているので
薄暗いうちから入園してゆったりと夜明けを眺めるコトが出来る。
私のオススメは、13代藩主が霞ヶ池を掘り広げた時にその土で作った栄螺山の上から、
そしてそのふもと、親不知から目の前にゆったりと広がる霞ヶ池越しに眺める夜明け。
ある映画のオープニングとして作った「波紋の情景のピアノ曲」にのせて1分半の映像小品にしてみました。
卯辰山方面の稜線がだんだん白んでくるにつれ、あちらこちらから日暮が鳴き出し
その合唱が本格的になる頃、アブラゼミ達も加わり・・・(秋が近づいてくるとコオロギ達も)
そんな音の中、日の出を挟んで前後1時間弱の、その日その日のショー
街の真ん中で毎日繰り広げられています。
思い切ってちょっとだけ早起きして、あるいは・・・
ちょっと酔狂だけど夜通しの旧市街散歩の締めくくりとしても。
金澤の夏の夜明けは素敵な夏の記憶を残してくれるでしょう。
(2010年8月5日午前4時半くらいから撮影)
※蓮池門口、随身坂口のみの開門です。あらかじめ地図でご確認下さい。
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2010/06/04
金澤玉響 天神橋 春の朝
新緑や川面がまだ本格的に輝きはじめる前の、透明な朝の時間。
ゆったり天神橋を渡る犬連れの人の周りにも、
夜の間に緑がタップリ吐き出した濃い香りがまだまだ漂っている。
橋の上に見える警備員さんは
「工事によって一時的に出現している路面のちょっとした凹凸をお知らせする」
ために立っていて、クルマがやってくる度にやんわりと徐行を促している。
目で見ても、実際乗り越えても全然大したギャップじゃないんだけど、
穏やかな表情と仕草に促され、思わずユルユルっと通過してしまう。
現在では立派な鉄の橋だけどその昔、この辺りに架かる橋は
付近住人がお金を出してかけた木製の仮橋で、
通行料を取ったため「一文橋」と呼ばれていた。
(中の橋もそうだけど、複数架かっていたらしい)
警備員さんの仕草を見ながらフト、
「その昔、橋を渡る人から料金を取る人の仕草も、こんな‘やんわり’したカンジだったのかな・・・」
なんて夢想が過ぎった。
何世代にも渡って人々の営みが積み重なった街のちょっとした楽しみ。
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ゆったり天神橋を渡る犬連れの人の周りにも、
夜の間に緑がタップリ吐き出した濃い香りがまだまだ漂っている。
橋の上に見える警備員さんは
「工事によって一時的に出現している路面のちょっとした凹凸をお知らせする」
ために立っていて、クルマがやってくる度にやんわりと徐行を促している。
目で見ても、実際乗り越えても全然大したギャップじゃないんだけど、
穏やかな表情と仕草に促され、思わずユルユルっと通過してしまう。
現在では立派な鉄の橋だけどその昔、この辺りに架かる橋は
付近住人がお金を出してかけた木製の仮橋で、
通行料を取ったため「一文橋」と呼ばれていた。
(中の橋もそうだけど、複数架かっていたらしい)
警備員さんの仕草を見ながらフト、
「その昔、橋を渡る人から料金を取る人の仕草も、こんな‘やんわり’したカンジだったのかな・・・」
なんて夢想が過ぎった。
何世代にも渡って人々の営みが積み重なった街のちょっとした楽しみ。
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2010/05/09
金澤玉響 広坂 雨の釉薬
2010年の金澤の春は珍しく風雨に曝された期間が長かった。
でもそのお陰で改めて確認出来たのは「それでも桜はあまり散らない」というコト。
満開の花をびっしり付けた枝が風雨に曝されワサワサ揺れ続け・・・
なのにあまり花弁が枝から離れて行かない光景はちょっと不思議ですらあった。
そして桜は雨に濡れている方が一層美しいというコトも再認識。
旧市街全体が薄く釉薬をかけた様な艶に覆われ、
あちらこちらに出現した、雨天ならではの「桜の光景」もまた金澤らしい。
藩政期、広坂周辺に多く存在した武家屋敷の名残を留める、
深く苔生した石垣にも花弁がまぶされ釉薬がかかり・・・
ミクスドメディアの工芸品(彫刻?)の様にも見えてくる。
(製作年に大きな隔たりがある石の構造の上に、植物の一瞬、水・・・
様々な素材と江戸時代からの時の流れが融合した美術作品の様)
09年には世界初のユネスコ・クラフト創造都市の認定を受けるなど、
金澤の工芸が今も発展し続けている理由の一つとして、
こういう普段の光景の影響があるコトは想像に難くない。
10年4月13日15時33分撮影
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でもそのお陰で改めて確認出来たのは「それでも桜はあまり散らない」というコト。
満開の花をびっしり付けた枝が風雨に曝されワサワサ揺れ続け・・・
なのにあまり花弁が枝から離れて行かない光景はちょっと不思議ですらあった。
そして桜は雨に濡れている方が一層美しいというコトも再認識。
旧市街全体が薄く釉薬をかけた様な艶に覆われ、
あちらこちらに出現した、雨天ならではの「桜の光景」もまた金澤らしい。
藩政期、広坂周辺に多く存在した武家屋敷の名残を留める、
深く苔生した石垣にも花弁がまぶされ釉薬がかかり・・・
ミクスドメディアの工芸品(彫刻?)の様にも見えてくる。
(製作年に大きな隔たりがある石の構造の上に、植物の一瞬、水・・・
様々な素材と江戸時代からの時の流れが融合した美術作品の様)
09年には世界初のユネスコ・クラフト創造都市の認定を受けるなど、
金澤の工芸が今も発展し続けている理由の一つとして、
こういう普段の光景の影響があるコトは想像に難くない。
10年4月13日15時33分撮影
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2010/04/01
金澤玉響 桜の中の賢人達 犀川
桜の花々はその存在を充分に全うし、ゆっくりと枝から離れていく。
微かな風に少しずつ、ハラハラと舞い落ちてその場に薄く積もる。
「桜の花は一斉に咲いて、パッと吹雪のように散る」というコトになっているけど
(例えば東京では「満開日」と「花吹雪日」の予報が当然の如くセットになっている)
金澤では多くの場合、咲いた花は、
微かな風にあるいは無風の中に、ゆっくりゆっくり舞い落ちる。
なので「満開日」を迎えてしばらく経って、地面が明るくなる位に花が散っても、
「まだまだ枝に花が沢山付いている時期」があって、
その頃も味わい深い花見頃。(‘花吹雪予想日’は過ぎているだろうけど)
「そんな頃を見計らって」近所の人達だろうか・・・テーブルと椅子と
ちょっとしたセットを持ち込んで、優雅な午後の花見の宴を開かれている。
桜風姿に溶け込んで・・・ちょっとだけ
「掛け軸の中で清談を交わす賢人達」のようにも見える。
(08年4月11日13時34分撮影)
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2010/03/29
金澤玉響 無料の幽玄
兼六園は毎年、桜が最も見頃の時期を選んで約一週間無料開放&ライトアップ夜間延長開園。
その他の季節にもそれぞれ味わい深い時期に数回、無料開放を実施している。
「少しでも多くの人々に、この素晴らしいお庭の魅力を存分に堪能して頂きたい」という太っ腹で粋な計らい。
無料であるコトで日々の桜の変化を存分に楽しむコトも出来るし(毎日30分位チラッと、なんて鑑賞法もオススメ)
園の内外を拘らずに自由に出入りして桜を味わえるし(半券を見せれば普段でも再入場出来るけど、さらに気軽)
旧市街花見散歩の途中に縦断するなんて贅沢な使い方も出来る。
(実際、兼六園が年中無料だった頃は通勤、通学コースとして愛用している人も多かった)
観光の人にも嬉しいけど、金沢在住の人達にはさらに恩恵のある桜の時期の無料開放です。
これは園内栄螺山の下「親不知」から霞ヶ池に映る唐崎松を眺めるの図。
桜を眺めるだけではなく、榊の香りが心地よく香る春の夜をしみじみ味わう、
歴代の藩主には決して観るコトの出来なかった幽玄な夜の眺め。お代は頂きません
(07年4月7日20時59分撮影)
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2010/02/27
金澤玉響 21世紀現在美術館
太陽が沈んでから残光が消えるまでの僅かな間(20~30分くらい)
世界が最も美しく見える時間のコトを映画用語で「マジックアワー」と言うんだけど
そんな時間帯の金澤はしばしば、まさに魔法がかかった様な美しさに包まれる。
何度か取り上げている21世紀美術館、
この日も黄昏の大きな手が、優しく降りてきて・・全てを美しく包み込んでいる。
館内では「様々な光の中に身を置き戯れ、鑑賞する人も含め作品となる」作家の作品展が開催中だったんだけど
この時は、空も美術館も人も含めた全てが「美しいモノ」として目の前に現れた様に思う。
この美術館は Contemporary Art(現代美術)を鑑賞するための施設だけど、
この日のこの時間は、
差し詰め「現代美術館」ならぬ「現在美術館」。
この美術館の魅力は建物のユニークさ、企画展の素晴らしさもさることながら
「刻々と移り変わる金澤の光」を見事に映し込むコトにもある。
(09年10月16日午後5時50分撮影)
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2010/02/14
金澤玉響 冬の『画廊金澤』にて
淡い青空をバックに、灯り始めた犀川大橋袂の街灯が調和している冬の夕方。
旧市街を歩いていると「あ、なんだか絵の様だなぁ」と思うコトがよくあります。
そしてしばしば、その「絵」の中を歩いている様な‘軽い’錯覚に陥ることもあります。
例えば昇ってくる月を何か越しに眺めている時・・・
満開の桜に覆われたお城の周りを歩いている時・・・
そして、こういう日常の何気ない風景の中にも・・・
金澤は街の構造物に対して細かく神経を使っていて
それらがしばしば見せる「自然との調和」は、これもまた金澤らしい味わい。
これみよがしに主張するのではなく、あくまで品良く調和する様に・・
犀川大橋が川面を映すがごとく、五層のグラデーションに塗られているコトも
(意外に気がつかない人も多い?)東山河畔観光駐車場の構造物全てに塗られている濃い茶色が、
川沿いの桜の幹の色とほぼ同じ色に見えるようコーディネートされているコトも・・
みな現代の金澤人が慎重に配慮しながらやっているコト。
そういう「金澤人の配慮の積み重ね」が旧市街のアチラコチラに作品を出現させている、と私は思います。
「画廊金澤」は年中無休でお待ちしております・・・
(09年12月28日午後04時18分撮影)
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2010/02/10
金澤玉響 冬の夢幻空
金澤(北陸)の冬は暗くて雪が多くて・・という一般認識は確かにある意味
事実だけど(日照が少なく降水量が多いという点では)その中身はとても味わい深い。
何度も書いているけど、金澤の冬の空はしばしば回り舞台。
この日も予報的には降水確率80パーセント位?
この瞬間にも一応雨&霙は降っているけど(ナイロン傘を差して撮影)
その最中にも束の間の信じられない様な青空が出現する。
ここは犀川の上菊橋。上流に向かって半ばいきなり視界が大きく開けてくる場所で
犀川大橋とは逆の意味でなかなかのビューポイント。
一年中、いろんな時に出現する「遥かなる雨上がりの空」
その中で最も「遥か」率が高いのはやはり冬。
私は能の「現在能」と「夢幻能」になぞらえて金澤の趣の基本を「現在夢幻」
という造語にしてみたんだけど、この日のこの時も暗く重たい雲の下の世界(現在)
の上に遥かなる空(夢幻)が現れたかの様。
(1o年01月07日午後0時17分撮影)
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事実だけど(日照が少なく降水量が多いという点では)その中身はとても味わい深い。
何度も書いているけど、金澤の冬の空はしばしば回り舞台。
この日も予報的には降水確率80パーセント位?
この瞬間にも一応雨&霙は降っているけど(ナイロン傘を差して撮影)
その最中にも束の間の信じられない様な青空が出現する。
ここは犀川の上菊橋。上流に向かって半ばいきなり視界が大きく開けてくる場所で
犀川大橋とは逆の意味でなかなかのビューポイント。
一年中、いろんな時に出現する「遥かなる雨上がりの空」
その中で最も「遥か」率が高いのはやはり冬。
私は能の「現在能」と「夢幻能」になぞらえて金澤の趣の基本を「現在夢幻」
という造語にしてみたんだけど、この日のこの時も暗く重たい雲の下の世界(現在)
の上に遥かなる空(夢幻)が現れたかの様。
(1o年01月07日午後0時17分撮影)
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2010/02/03
金澤玉響 浅野川白洲
2008年夏、洪水に見舞われた浅野川。その善後策と予防策で09年秋〜10年初春まで河床の大改修。そのために大きな中州が出現し、川の風景、音が一変しています。
浅く浅く、優しい流れが立てる特徴的な水音もしなければ(水深が深くなっているため)夕暮れ時の光に染まる水面の美しさも半減・・と期間限定の無粋な中洲だけど
天はそれを知ってか・・09年から10年にかけての金澤は近年には珍しい位の降雪。
土色の中洲を見事に白く塗り替えて、今冬限定の趣ある風景を出現させました。
とはいえ比較的温暖な金澤では雪は降って溶け、降って溶け・・この白洲も一面を覆う花が咲いて散るかのごとく、一日〜数日で消えてしまいます。もうじき夕暮れ、一瞬雲間から覗く弱い夕日に束の間、淡く染まる中洲も綺麗なコトでしょう。
今季の「金澤冬の回り舞台」は空も地面もコロコロ変わり、例年にも増してダイナミックです。
(1o年01月01日午後04時56分撮影)
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2010/01/04
金澤玉響 濡山水 主計庭園
冬の早い午後の浅野川、主計町。
枯山水はご存知の様に白砂などで文様を描いて水面に見立て、山水の風景を表現する庭園様式だけど、
さらにもう1回引っ繰り返して見立てると、浅い浅い浅野川の川面に立つさざ波は白砂で描いた様にも見え、そして鴨とユリカモメはそれぞれ黒と白の庭石にも見えてくる・・・?
言わば枯山水を水を使ってもう一回焼き直して表現した様な・・
曇天を映す白い水面、そしてささやかなさざ波、護岸堤防に並ぶ、コンクリートの白い突起、黒く沈みがちな石垣、茶屋街の家並み、全体がバランスしてつかのま出現した冬の枯山水ならぬ、濡れ(?)山水。主計庭園。表面も石も常に動くけど(笑)
(09年01月04日午後01時37分撮影)
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2010/01/02
金澤玉響 金沢陰翳美術館
金澤の冬の空は時として目まぐるしく移り変わり、その様子を眺めたりその下に居るコトも楽しいけど、曇り空自体もとても味わい深い。
真っ白なキューブとガラスで構成された建物は移りゆく金澤の光の色をとてもよく反映させ、朝に夕に美しい色に染まるけど、こういう曇り空の細やかな階調、陰翳を眺め味わうにもとても適している。
この美術館で個展を開催したコトもある私の大好きな作家に「陰翳を観察する」コトをコンセプトにした作品があるけど、この、21世紀美術館全体もこういう時は巨大な「陰翳鑑賞装置」となる。
複雑な雲のグラデーションをバックに、それを刻々と還元し反映する建物。見事なコラボレーションが成立しています。
(09年01月02日午後03時03分撮影)
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